センタクアトリエの壁には、こんな切り込みがあります。
実はこれ、引き出しが壁に埋め込まれているんです。
センタクアトリエを建てるとなった時に一番始めに考えたのが、洗濯動線。
洗濯って、「脱ぐ、洗う、干す、アイロン(たたむ)、しまう」という5つの工程があるので、これがそれぞれ分離してしまうとそれだけで洗濯が大変になってしまいます。
極論で言うと、今の住宅って、それぞれの部屋で脱いで、洗濯機のところへ持っていって、2階にあるベランダで干して、たたむ場所に持っていき、それぞれの部屋に収納する。みたいな感じで、服一着が家の中であちこちへ冒険し、壮大なストーリーを描いているという家も少なくはないんじゃないでしょうか??(笑)
いつの間にか、脱いだものがそのままになっていたり、靴下片方行方不明事件が起こったりするのもこの動線が原因ですよね。
センタクアトリエではこの脱ぐ、洗う、干す、アイロン(たたむ)、しまうという5つの工程をすべて隣接させて、服も人間もできるだけ無駄な動きがないようにデザインしました。
下の図面で、赤線で囲んだところが、家の中で衣類を取り扱う場所。「脱いで、洗って、干して、アイロンをかけて、しまう。」この洗濯の5工程がすべてここで完結します。逆に言うとここ以外には衣類が動かないのです。
そして、矢印の部分にあるのが、冒頭の引き出し型の壁、「センタクアトリエ ウォールインクローゼット」です。
壁の裏側、アトリエの反対側は、洗面脱衣所になっており、更にその隣にクローゼットを配置することで、脱ぐところからしまうところまでを一気通貫で行えるようにデザインしました。
まず、脱衣所で脱いだ服は、このウォールインクローゼットの一番下に格納された洗濯かごに投入。
この洗濯かごは、反対側にあるアトリエ(ランドリールーム)から引き出して取れるようになっていて、開けたらすぐ横にある洗濯機で洗うことが出来る。
洗濯が終わったら、そのままその頭上にある物干しにかけて乾かす。
乾いたあと、アイロンをかけたら、今度は上の引き出しを開けて洗濯物を戻す。
最後は、脱衣所側から、仕上がったものを取り出し隣りにあるクローゼットへ、という流れです。
衣類が家に入った後、どう動くのが一番良いのか??すなわち、「衣類の動線」というものを考えるだけで、日々の洗濯は驚くほど快適に、効率よく行えると僕は考えています。
「脱ぐ、洗う、干す、アイロン(たたむ)、しまう」という、「洗濯の5工程」をどうするか??
ここをキチンと考えることは、日常生活に大きなインパクトをもたらすでしょう。